<p>こんにちは、Ikoba(<a href="http://twitter.com/ikoba0911">@ikoba0911</a>)です。</p>
<p>AIを活用したコード補完・アシスタントツールは、iOSアプリ開発の現場にも急速に浸透しています。<br>
本記事では、XcodeにおけるAI拡張機能の最新動向、他のエディタとの連携、CLIで動作するAIサポートツール、さらにローカルで完結するAI開発環境までを整理して紹介します。</p>
<h2 id="目次">目次</h2>
<ul>
<li>
<p><a href="#xcode%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%BC%B5%E3%82%82%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AF%E7%B4%94%E6%AD%A3%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%81%A7%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8Bai%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB">Xcodeの拡張、もしくは純正機能で使えるAIツール</a></p>
</li>
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<p><a href="#xcode%E4%BB%A5%E5%A4%96%E3%81%AEai%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E4%BB%98%E3%81%8D%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BF%E3%81%A8%E3%81%AE%E8%A6%AA%E5%92%8C%E6%80%A7">Xcode以外のAIアシスタント付きエディタとの親和性</a></p>
<ul>
<li><a href="#%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E5%9E%8B-vs-%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E5%9E%8B%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84">チャット型 vs エージェント型の違い</a></li>
</ul>
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<p><a href="#cli%E3%81%A7%E5%8B%95%E4%BD%9C%E3%81%99%E3%82%8Bai%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB">CLIで動作するAIサポートツール</a></p>
</li>
<li>
<p><a href="#%E5%AE%8C%E5%85%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%A7%E5%8B%95%E4%BD%9C%E3%81%99%E3%82%8Bai%E9%96%8B%E7%99%BA%E7%92%B0%E5%A2%83vscode--continue--ollama">完全ローカルで動作するAI開発環境（VSCode + Continue + Ollama）</a></p>
<ul>
<li><a href="#%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF">仕組み</a></li>
</ul>
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<p><a href="#%E5%90%84ai%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83%E8%A1%A8">各AIツールの比較表</a></p>
</li>
<li>
<p><a href="#%E3%81%8A%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AB">おわりに</a></p>
</li>
</ul>
<h2 id="xcodeの拡張もしくは純正機能で使えるaiツール">Xcodeの拡張、もしくは純正機能で使えるAIツール</h2>
<p>AppleはWWDC2025で、<strong>Xcode 26</strong>に大規模言語モデル（LLM）との統合機能を発表しました。この機能により、Xcode上で自然言語によるプロンプト入力からSwiftコードを生成したり、バグ修正の提案を受けたりできるようになりました。</p>
<p>YouTube公式セッション（<a href="https://www.youtube.com/watch?v=51iONeETSng">WWDC2025 Xcodeセッション</a>）でも紹介された通り、Xcodeに組み込まれたAIアシスタントは、以下のような使い方が可能になる見込みです。</p>
<ul>
<li>コメントベースで関数を自動生成（例：// 日付で並び替える関数を作成 → Swiftコードが提案される）</li>
<li>エラーコードの自然言語での説明</li>
<li>Swift ConcurrencyやSwiftUIの設計パターンの提案</li>
<li>ドキュメントコメントの自動生成</li>
</ul>
<p>また、接続先を好きなモデルに変更できたりプライバシーに配慮した接続方法があるといった説明もあったので、今後はXcodeから直接好きなモデルにアクセスして使用するという方法がデファクトになる可能性が高いです。</p>
<p>Xcodeには<a href="https://github.com/github/CopilotForXcode">GitHub Copilotの公式拡張</a>も登場しており、リアルタイムのコード補完や、Copilot Chatによるチャット型支援を受けることも可能です。<br>
これにより、Appleの純正AIとCopilotという2つのAIアシスタントを併用できる柔軟な環境が整いました。</p>
<p>さらに、<a href="https://github.com/intitni/CopilotForXcode">CopilotForXcode</a>のようなOSSもあり(名前が公式と似ていて分かりにくい)、ChatGPTやCodeiumといった複数のバックエンドに対応したプラグインも登場しています。<br>
無料で使えるAIやローカルモデルを活用したいユーザーにとって有力な選択肢です。</p>
<h2 id="xcode以外のaiアシスタント付きエディタとの親和性">Xcode以外のAIアシスタント付きエディタとの親和性</h2>
<p>Xcode以外でも、Visual Studio Code（VSCode）やCursorのようなエディタがAIアシスタントとの統合を進めています。<br>
直接iOSのプロジェクトをBuildすることはできませんが、コードを書く上では十分活用できます。</p>
<h3 id="チャット型-vs-エージェント型の違い">チャット型 vs エージェント型の違い</h3>
<p>AIアシスタントには主に以下の2種類のスタイルがあります：</p>
<p>チャット型アシスタント</p>
<ul>
<li>例：ChatGPT、Copilot Chat、Codeium Chat</li>
<li>質問を入力 → 回答やコード例が提示される</li>
<li>明示的なプロンプトが必要で、コード変更は開発者が手動で行う</li>
</ul>
<p>エージェント型アシスタント</p>
<ul>
<li>例：<a href="https://www.cursor.com/ja">Cursor</a>、Continue（後述）</li>
<li>自然言語で高レベルな指示（例：「このViewModelをリネームしてすべて更新して」）を出すと、AIがファイル横断的に変更を加える</li>
<li>作業の自動化・大規模なリファクタリングが可能</li>
</ul>
<p>これらのツールは、コード生成、説明、デバッグ、テストコード作成など、幅広い場面でiOS開発の補助に活用できます。</p>
<h2 id="cliで動作するaiサポートツール">CLIで動作するAIサポートツール</h2>
<p>GUIエディタとは異なり、CLIベースで活用できるAIツールも注目されています。代表的な例が<a href="https://www.anthropic.com/claude-code">Claude Code</a>や<a href="https://github.com/AI-App/OpenDevin.OpenDevin">OpenDevin</a>（旧Open Interpreter）などのLLMエージェントです。<br>
特にClaude Codeについては最近正式リリースされたということもあり、自律的に動くエージェントとしての機能も持っているので注目が集まっています。<br>
<a href="https://docs.anthropic.com/ja/docs/claude-code/overview">Claude Colde概要</a></p>
<p>特徴と利点</p>
<ul>
<li>ターミナルから自然言語で指示（例：「iOSビルドのエラーを解消して」）</li>
<li>コマンド実行・ファイル操作・コードの自動編集が可能</li>
<li>継続的な会話形式で、逐次タスク処理を実行できる</li>
</ul>
<p>これらのツールは、CI/CDやスクリプト整備、API実行・整形、Xcodeプロジェクトのビルド支援など、GUIエディタ外の領域で威力を発揮します。<br>
特に慣れている開発者にとっては、複数のタスクを一気に片付けられるAIユーティリティとして価値が高まっています。</p>
<h2 id="完全ローカルで動作するai開発環境vscode--continue--ollama">完全ローカルで動作するAI開発環境（VSCode + Continue + Ollama）</h2>
<p>クラウドサービスを介さず、完全ローカルでAIを活用できる環境として注目されているのが、以下の構成です：</p>
<ul>
<li><a href="https://code.visualstudio.com/">VSCode（エディタ）</a></li>
<li><a href="https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=Continue.continue">Continue（VSCode拡張：AIアシスタント）</a></li>
<li><a href="https://ollama.com/">Ollama（ローカルLLM実行プラットフォーム）</a></li>
</ul>
<h3 id="仕組み">仕組み</h3>
<p>OllamaでCode LlamaやStarCoderといったLLMを自宅のMac上に立ち上げ(もしくはローカルマシンで動作させて)、Continueがそれをエディタと接続することで、完全にオフラインでもChatGPT的な支援を受けることができます。</p>
<p>メリット</p>
<ul>
<li>セキュリティ・プライバシー保護：コードが外部に送信されない</li>
<li>低遅延：応答が速い(ただしマシンスペックが必要)</li>
<li>無料で使える：API課金なし、OSSモデルが中心</li>
<li>カスタマイズ性：使用するモデルを変更・拡張可能</li>
</ul>
<p>活用例</p>
<ul>
<li>SwiftUIの画面テンプレートを生成</li>
<li>Objective-C → Swift変換</li>
<li>独自ライブラリの使い方の補助</li>
<li>単体テストコードの自動生成</li>
</ul>
<h2 id="各aiツールの比較表">各AIツールの比較表</h2>
<table>
<thead>
<tr>
<th>項目</th>
<th>Xcode内蔵AI / 拡張</th>
<th>他エディタ（VSCodeなど）</th>
<th>CLIツール（Claude Codeなど）</th>
<th>ローカルAI環境（Continue+Ollama）</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>主な用途</td>
<td>Swiftコード補完・エラー説明・UI作成支援</td>
<td>多言語対応・コード生成・ドキュメント作成</td>
<td>自動ビルド・スクリプト作成・CI整備</td>
<td>完全オフラインでのコード支援・カスタムモデル使用</td>
</tr>
<tr>
<td>導入コスト</td>
<td>macOS + Xcodeのみ（またはGitHub Copilot）</td>
<td>無料拡張あり、Copilot有料</td>
<td>無料 / OSS中心</td>
<td>無料（ローカルモデルDL必要）</td>
</tr>
<tr>
<td>セキュリティ</td>
<td>一部クラウド接続（Copilot使用時）</td>
<td>通常はクラウド接続</td>
<td>ローカル制御可能だが環境依存あり</td>
<td>完全ローカルで安全</td>
</tr>
<tr>
<td>学習コスト</td>
<td>低（Xcode内で完結）</td>
<td>中（エディタ設定が必要）</td>
<td>高（ターミナル操作・スクリプト知識が前提）</td>
<td>中〜高（モデルの準備が必要）</td>
</tr>
<tr>
<td>おすすめユーザー</td>
<td>XcodeメインのiOS開発者</td>
<td>VSCodeなどマルチツール志向の開発者</td>
<td>コマンドラインに慣れた上級者</td>
<td>プライバシー重視・カスタマイズ派</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h2 id="おわりに">おわりに</h2>
<p>WWDC2025での発表を皮切りに、iOS開発におけるAIアシスタントの普及は確実に進んでいます。<br>
Xcode単体でも非常に強力な支援が得られるようになりましたが、他のエディタやローカル環境、CLIツールと組み合わせることで、さらに開発効率・セキュリティ・柔軟性を高めることができます。</p>
<p>今後は、iOSエンジニアにとっても「どのAIツールを使うか」が開発戦略の一部になる時代が到来するでしょう。<br>
まずは自分に合ったツールから試してみてはいかがでしょうか？</p>

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